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【コラム】ブランドをつくっているもの(ブランディングについて語るvol.3)

ブランドは「らしさ」である

人にはそれぞれ個性があります。そして人だけに限らず、企業にもそれぞれの個性があり、商品やサービスにも個性があります。それらの個性は「○○らしさ」と表現され、その「らしさ」がそれぞれの持つブランドになります。
つまり、ブランド=「らしさ」です。
ブランドづくりは、この「らしさ」を明確にすることであり、「らしさ」を明確にすることによって、「○○さんなら〜」「○○さんだから〜」といった繋がりを生んでいきます。

「らしさ」に見合う服を着る

では、「らしさ」を明確にするにはどうしたらいいか?これには2つあって、まず①言語化をするということ。そして、②それに見合うコーディネートをするということ。
「らしさ」というものはその言葉通り曖昧なものなのでそれをしっかりと、このらしさはこうです!と定義していきます。キャッチコピーなどに落とし込んでいくイメージです。
そしてその定義した言葉(キャッチコピー等)を体現するための様々な要素を作っていきます。
代表的なもので、1.ネーミング、2.色、3.シンボルマーク・ロゴタイプ、4.キャラクター、5.音、6.匂い、等があります。
これらをそれに見合うようにデザイン(設計・装飾)し纏わせ、「らしさ」を明確にしていきます。
このとき気を付けなければいけないのは、過度によく見せようとしないこと。例えば、いつも落ち着いた服装の人が目立つ派手な服装を着てきたとき、「なんかあの人らしくないな」となるように、ブランドも過度によく見せようとすると「このブランドらしくないな」と思われブランドはつくられていきません。あくまでも「らしさ」に見合うコーディネートをすることが大切です。
これらの「らしさ」を感じることができるもの全てがブランドをつくる要素になります。

構成要素は一つでも構わない

この要素は多ければ多いほど良いというわけではありません。シンボルマークだけでも、キャラクターだけでも構いません。ここでも大事なのは「らしさ」に見合うかどうか。そして目一杯のオシャレをするということ。たとえシンボルマークひとつだけのブランド要素でも、「らしさ」フル全開にこれでもかっていうくらいにオシャレします。つまり、それぞれのクオリティに妥協はしないということ。
そしてもう一つ、統一性を持たせるということ。シンボルマークがシックな感じなのにポップなキャラクターが存在するとかは、統一性を損ないブランドがつくられていきません。もしそれらが、どちらも「らしさ」を体現してると思われるなら「らしさ」の言語化からやり直した方がいいでしょう。

ブランドは他人がつくるもの

最後に意識しておかなければいけないこと、それはブランドは自分たちがこう思ったからこうだ!となるわけではなく、他人からこう思われているがつくっていくものだということです。
そのためにブランドの構成要素に統一性を持たして、意図的にコントロールして、こう思わせるということが大事になってきます。

いずれにせよ、他人の印象に擦り込んでいくには時間のかかることですので、ブランドづくりは根気のいるものだと理解しておいた方がいいと思います。そして決してブレない芯の強さ、これが一番大切なブランドをつくる要素だと思っています。


記/ブランド・プランナー 下野 護


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